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不安な心は不安な現実を引き寄せる…映画『ブラックスワン』

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毎日お疲れ様です! yolicoです。

今日はナタリー・ポートマン主演、ダーレン・アロノフスキー監督作品『ブラックスワン』をAmazon Prime Video で鑑賞。

2011年劇場公開の映画です。

あらすじ

主人公ニナ(ナタリー・ポートマン)の所属するバレエ団では、次の公演「白鳥の湖」に向けて、主演を探していた。

劇団のトップダンサーとして君臨していたベス(ウィノナ・ライダー)との世代交代が行われるようだった。

ベスにとっては不本意であるが、他の劇団員は皆、次のスターの座を狙っていた。

潔白な「白鳥」と、邪悪な「黒鳥」を演じなければならない「白鳥の湖」。

白鳥だけならニナを推す、と劇団のフランス人演出家トマ(ヴァンサン・カッセル)に言われたニナは、「私は黒鳥も踊れる」と直談判する。

真面目で優等生な性格から「不感症の子」と周りからあだ名をつけられているニナ。

トマはニナの訴えを取り合わないが、ある出来事からニナの心の奥底にある激しいものを感じ取り、ニナを主役の座に抜擢する。

それからのニナは、プレッシャー・不安から徐々に精神が不安定になっていく。

自身もプリマドンナを目指したものの叶わず、その夢を娘ニナに託す母エリカ(バーバラ・ハーシー)。

ニナを開花させようと、ニナの性的なプライバシーに立ち入り、指示まで出すトマ。

自由奔放に個性を放出させ、ニナの主役の座を脅かすかのようなダンサーのリリー(ミラ・クニス)。

劇団の女王の座を明け渡した後も、ニナの心に爪痕を残すベス。

踊りに集中したいニナの心を乱す、様々な人や様々な出来事…

肉体的にも精神的にも疲弊した彼女は、幻覚を見るようになる。

果たしてニナは「白鳥の湖」を演じ切ることができるのか?

可憐だけではダメな世界

ナタリー・ポートマンの圧倒的な美しさ、可憐さ。踊る姿は本当に清らかです。

白鳥のパートだけ、彼女に平和に踊らせてあげてほしかった…

母親のエリカの過剰な愛、支配、束縛、もニナに重くのしかかっています。

ニナが精神的に、常に揺れ動いてる感じが、見ていて苦しいです。

きっと好きで踊っているはずなのに、「踊っていて本当に幸せ?」と聞きたくなります。

そして、主役の座を射止めてからのセクハラ的指導。芸術家はホントにあんなこと聞かれたり言われたりするのでしょうか?

抑圧されているものを解き放て!ということなのでしょう。

黒鳥を演じるには性的な喜びが必要、と考え、そのように指示するトマ。

確かにニナは真面目過ぎるのかもしれません。

セクハラ指導にも真面目に取り組む、という優等生っぷり。

奔放過ぎるリリーから受ける影響も、少なくありませんでした。

精神的に崩壊してゆくニナ

母エリカの「役に押しつぶされる」というセリフがありましたが、ニナはまさにそんな様子。

不安や焦りからニナは幻覚を見るようになりますが、ほとんどホラーのような恐ろしさです。

精神的にも肉体的にも不安定な中、「白鳥の湖」公演初日を迎えます。

舞台上で、まだなお不安な表情を見せるニナですが、黒鳥の場面では凄まじい踊りを披露します。

何かが取り憑いたかのような、まるで別人が踊るような見事な黒鳥を。

踊り切ったあとの高揚感、全能感、充足感がヒシヒシと伝わってきました。

そして舞台は最終章の踊りへ…

一人のバレリーナの心の揺れを、見事な演技と踊りで、ナタリー・ポートマンが演じました。

約10kgの減量・身体づくりをして挑み、今作品でアカデミー賞主演女優賞を獲得しています。

思いもよらぬラストシーンはバッドエンドなのか、もしくはハッピーエンドとも言えるのか…

人の心の闇に迷い込んだような108分の小旅行、ぜひお楽しみください!

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