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今日はウェス・アンダーソン監督作品『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』を劇場で鑑賞。
2025年9月劇場公開の映画です。
STORY
舞台は1950年代、”現代の大独立国フェニキア”。
6度の暗殺未遂から生き延びた大富豪ザ・ザ・コルダは、フェニキア全域に及ぶ陸海三つのインフラを整備する大規模プロジェクト「フェニキア計画」の実現を目指していた。
そんな中、とある妨害によって赤字が拡大、財政難に陥り、計画が脅かされることに。
ザ・ザは離れて暮らす修道女見習いの一人娘リーズルを後継者に指名し、彼女を連れて旅に出る。
目的は資金調達と計画推進、そしてリーズルの母の死の真相を追うこと。
果たして、プロジェクトは成功するのか?リーズルの母を殺したのは誰か?
そして、父と娘は「本当の家族」になれるのか____?
映画フライヤーより引用
いつものように登場人物は超豪華な顔ぶれ
今回の主役ザ・ザ・コルダを演じるのはベ二チオ・デル・トロ。言わずもがなの存在感です。
暗殺のターゲットにばかりされているので、常に傷だらけ。
顔は腫れ、どこか出血、という有様。
なのに生命力に溢れている感じが、さすがです。
トム・ハンクスやスカーレット・ヨハンソン、ベネディクト・カンバーバッチなど、いつもは主役を務める俳優たちが、割とチョイ役のように登場するという豪華さ。
ウェス作品常連とも言える、マチュー・アマルリック、ウィレム・デフォー、ビル・マーレイなどももちろん出演しています。
娘のリーズルを演じるミア・スレアプトンがキュート!
何百人もの中からオーディションで選ばれた、というリーズル役のミア・スレアプレトン。
修道女見習いの衣装をまとった彼女は、まるでマトリョーシカのようで、とてもキュート。
ひときわ、声に意志があって素敵でした。
自分の中にルール(決め事)があり、その意思表示もするのに、人に勧められると意外とあっさりルールをくつがえす。
そんなギャップに、クスッと笑わされます。
ワンマン大富豪が旅とともに変わっていく…?
3人の妻を全て亡くし、9人の子供がいるものの、家族と向き合うこともなく、壮大な事業計画に向けて月日と資金を費やし、過去に雇っていた部下に何度も暗殺未遂をされている大富豪ザ・ザ・コルダ。
そんな彼が、疎遠だった娘とともに、資金調達への旅に出る。
たまに挿入されるモノクロの場面。
天国なのかな、と思わされる映像に、ザ・ザ・やかつての妻たち、子供時代のリーズルが登場する。
ザ・ザの心の中を覗くようで、興味深いシーンでした。
現実世界では、強面で強引で自分勝手なキャラですから。
リーズルとの旅で、彼の心に変化が起きたのでしょう。
ラストは「うん、よかった」と思えてホッコリします。
ウェス・アンダーソン監督ならではの映像
とても豪華な紙芝居を観ているような、次々と映し出される美しい画面。
パステル調の美しい場面、モノクロの映像、天井から写すバスルーム(これがなんとも素敵)。
たまに絶句する、衝撃シーンもあったりするのですが…
やはり、どこを切り取っても絵になるウェスワールド。
本作では監督は”本物”にこだわったそうで、ザ・ザの邸宅を飾る美術品は全て本物。
小物に至っても同様で、リーズルが持つ”世俗的なロザリオ”はカルティエのもの。
コーンパイプはダンヒル、など、とても目の保養になるきらびやかさ。
絵画の数々は、エンドロールとともに流れてくるので、ぜひ最後までご鑑賞を。
個人的ツボは、資金調達を賭けたバスケットボールのゴール対決。
トム・ハンクスの使い方、それでいいのか?!
他にも、シニカルな笑いが至る所に。
出演者たちは誰一人笑っていなんですけどね。
まさに、一つのブランドとして確立するような102分のウェス・アンダーソン作品、ぜひ観てみてください!