毎日お疲れ様です! yolicoです。
今日は「午前十時の映画祭」という企画上映で『七人の侍』をTOHOシネマズで鑑賞。
1954年劇場公開の映画です。
あらすじ
戦国時代末期、とある貧しい農村を、野武士の軍団が襲撃しようとしていることを、ひとりの村人が聞きつける。
村人で話し合いをするも対策はまとまらず、長老に相談をすると「腹を空かせた侍」を雇って村を守ってもらうことを提案。
そして、4人の村人が宿場町へ赴き、侍に声をかけるが、ことごとく断られてしまう。
そんな中、近隣の家に盗賊が、子供を人質にとり立てこもる事件が発生。
初老の侍・島田勘兵衛(志村喬)が頭を丸めて、僧の衣装を借り、握り飯を与えて安心させた隙に盗賊を倒し、子供を救い出す。
村人たちは勘兵衛を見込んで、野武士と戦い、村を守ってくれるよう嘆願する。
話は聞いてくれたものの、「七人の侍が必要だ」と断る勘兵衛。
村人たちが泣いて絶望する中、同じ宿に泊まっていた人足たちが「百姓たちの苦労をわかっていない」と勘兵衛を責める。
そして、勘兵衛は考え直し、あと六人の侍を探すこととなる。
ようやく七人の侍が揃い、村へと向かい、村で戦いの準備を整えていく。
作品概要
なんと今から71年前の映画が、デジタルリマスター版として映画館で観られる、というのが嬉しい。
黒澤明監督の超有名な代表作です。
ベネチア国際映画祭では銀獅子賞を受賞し、何度も「最高の映画のリスト(英語版)」に選出されていて。
1960年にはアメリカで西部劇『荒野の七人』としてリメイクされ、Rotten Tomatoesの支持率が100%の映画のうちのひとつでもある…
いろいろすごい映画、と言うのはとても伝わってきます。
興味はあれども、なかなかレンタルしてまでも…と通り過ぎてきましたが、「午前十時の映画祭」という企画により劇場で観られることに!
本当にありがたいことです。
207分というとても長い上映時間、その上モノクロの映像となれば、途中で中だるみするのでは…と心配していましたが、杞憂でした。
途中、休憩時間がありましたし、CGとかに慣れた世代でも引き込まれる面白さ、動きのダイナミックさが伝わる映像に驚き。
複数カメラや望遠レンズの効果的使用、緻密な編集技法などを駆使して生み出されたようです。(ウィキペディアより)
個性豊かな配役
島田勘兵衛(志村喬)が率いる形となる七人の侍たち。
宿場町で、野武士たちと戦う侍を集めるのは苦労の連続で、これは無理では?と思うけれども、なんだかんだで集まった七人。
寡黙で剣の達人・久蔵(宮口精二)や、存在が心持ちを明るくする、と評された平八(千秋実)。
勘兵衛の深い人柄や、戦法を立てる頭のキレも素晴らしい。
ですが、菊千代(三船敏郎)のまるで子供のような、野生味溢れるキャラクターがとても魅力的。
最初は、デリカシーがなく、ただの粗暴な人、という印象ですが、彼の生い立ちなどがわかるにつれ、実は苦労人なんだな…と感慨深い人物です。
動きがスピーディ
田んぼの収穫が終わると、野武士が偵察の一人を寄越して、いよいよ襲来が始まることを予感させます。
待ち受ける侍たちも、村の中狭しと駆け回りますが、その動きが早い!
馬に乗って走る姿はともかく、身体ひとつで動き回る、そのスピーディさに驚きます。
クライマックスとなる野武士の一団と、侍たちと村人たちの戦いのシーンは雨の中。
音や、人々の表情も相まって、たいへんな迫力です。
戦ったのは侍でも、勝ちを得たのは…
宿場町で侍をスカウトしている時、勘兵衛は村人の話を聞いてくれたものの、一度は話を断ります。
それを聞いていた宿にいる足人たち。彼らは何かにつけて村人たちを貧乏品、と揶揄っていたのですが。
話に乗ってやらない勘兵衛に白米を見せて詰め寄ります。
「お前たちに白米を食べさせるために、こいつらはひえを食べてるんだ。力になってやれよ!」と。
それまで、散々馬鹿にしていたのに、加勢してあげるあたり、人情味あります。
それ以上に、侍に対する鬱憤があったのかもしれませんが。
七人の侍たちが村に着いたものの、村人は家にこもって出てこず、せっかく来たものの歓迎されてないの?みたいなムードになった時の、菊千代の行動も印象的です。
策士からはかけ離れた印象の菊千代、直感的に動いちゃうし、吉と出るか凶と出るかはわからない、という感じ。
本能の赴くままに生きている人は強いですね。
晴れた空のもと、笛太鼓のお囃子とともに田植えにいそしむ村人たち。
大地に根を張って生きている人たちも、何よりも強い。
生き残った侍たちの、今一つ晴れない表情やセリフからもそれが伺えます。
戦国時代末期の貧しい農村の暮らし、侍たちの生き様、迫力の立ち回りシーンを観る207分の小旅行、ぜひお楽しみください!
