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今日は映画『国宝』を劇場で鑑賞。
2025年6月劇場公開の映画です。
任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。
喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。
喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。
そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。
映画.comより引用
吉沢亮さんの圧巻の演技
主人公の喜久雄を吉沢亮さん、喜久雄のライバルであり、兄弟のようでもある俊介を横浜流星さんが演じています。
吉沢亮さん、とてもカッコいいことはもちろん知っていましたが、この映画で「”整った顔立ち”というのは彼のような顔のことを言うのだな…」と認識しました。とにかく整っている。
監督の李相日さんはインタビューで、出演キャストについて「一つだけ確かだったことは、喜久雄を演じるのは吉沢亮しかいない、ということでした」と語っておられます。
彼がいることで出発できるという”吉沢亮ありき”から始まっている、と。
その言葉に思わず深く頷いてしまう、吉沢亮さんの佇まい。
お顔の造作だけでなく、撮影期間も入れると1年半練習したという歌舞伎の演技も、惹きつけられるものでした。
劇中で、小さい舞台で女形で踊っている喜久雄に、本当に心を奪われる男性がいて…
その気持ちがわかるくらい、美しく妖艶です。
自分にないものを望んだ喜久雄と俊介
喜久雄を引き取り、自身の跡取り息子と一緒に歌舞伎を教える花井半二郎を演じるのは渡辺謙さん。
常日頃から息子の俊介には「あんたの血が守ってくれる」と言い聞かせる。
そして半二郎が事故にあった時、代役には喜久雄を指名する。
実力は喜久雄が上だと、突きつけられる俊介。
それまで、兄弟のように過ごし、共に稽古をしてきた二人の道が別れていってしまう出来事でした。
『曽根崎心中』の舞台に立つ前、あまりの緊張に手が震えて化粧ができない喜久雄。
彼は才能に溢れているのに「俊介の血が欲しい」と言う。
「自分には守ってくれる血が無い」と…
才能だけでは立ち向かっていけない梨園の独特の世界観が、見ているこちらも辛かった。
そんな喜久雄に「芸があるやないか」と言い、化粧を手伝う俊介に思わず涙でした。
ですが、短い期間で猛特訓をこなし『曽根崎心中』の舞台を務める喜久雄を見て、俊介の心はへし折られてしまう。
俊介は喜久雄の”秀でた芸”が欲しいと願い、喜久雄は俊介の”血筋”を羨む。
自分にないものを求めた二人の、その後の人生の波瀾万丈っぷりといったら…
二人を取り巻く、豪華俳優陣
歌舞伎の演目もいろいろ見ることができて、歌舞伎の知識がなくても楽しめます。
喜久雄の少年期を演じる黒川想矢さんは、映画『怪物』で主役を演じていたのも記憶に新しいです。
彼も女形を演じますが、堂に入ってます。
そして人間国宝の歌舞伎役者・小野川万菊を演じる田中泯さんの女形が、神がかっていてスゴい。
寺島しのぶさんは、花井半二郎の妻・俊介の母である大垣幸子を演じています。
もともと歌舞伎界におられる方、ということもあるのでしょうか、役どころがピッタリとハマっていました。
欲を言えば、喜久雄の幼馴染・福田春江の細かな心情をもっと垣間見たかった。
高畑充希さんが演じる春江でスピンオフ作品ができないかしら…
美しい青年ふたり以外にも、とても豪華な俳優さんたちが物語を彩ります。
圧倒されっぱなしの3時間
歌舞伎という芸を愛し、きっと歌舞伎にも愛された喜久雄の50年を描いた、壮大な作品です。
ほぼ3時間という長めの上映時間ですが、全く長さを感じさせません。
むしろ「もっとこの世界を見ていたい…」と願うほど。
芸の世界の孤高さを感じさせる175分、ぜひ確かめてみてください!