毎日お疲れ様です! yolicoです。
今日はAmazon Prime Video で『ザ・メニュー』を鑑賞。
2022年に劇場公開の映画です。
孤島に佇むレストランを訪れた若いカップル(アニャ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルト)。
そこではシェフ(レイフ・ファインズ)が極上のメニューを用意している。
しかし、レストランのゲストたちはこのディナーに衝撃的なサプライズが待ち受けていることに気づくのだった…。
脚本セス・レイスとウィル・トレイシー、監督マーク・マイロッドが贈るダーク・コメディー。
Amazon Prime Video より引用
あらすじ
船に乗ってようやく辿り着ける、孤島にあるレストラン”ホーソン”
伝説のシェフ、スローヴィク(レイフ・ファインズ)の料理を味わうために、訪れた客たち。
グルメマニアのタイラー(ニコラス・ホルト)と、そのガールフレンドのマーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)。
「スローヴィクを見出したのは自分だ」と日頃から豪語している、料理評論家のリリアン(ジャネット・マクティア)と、彼女の腰巾着の雑誌編集者テッド(ポール・アデルスタイン)。
他にも、熟年カップルのリチャードとアンや、落ち目の映画スターのジョージ・ディアスと彼のアシスタントのフェリシティ。
そして、ホーソンのスポンサー会社の役員で、IT産業の成り上がり者の三人、ブライスとソーレン、そしてデイヴ。
みんな、ホーソンでの1250ドルのディナーを楽しみに集まった、癖のある面々。
マーゴだけが、来るはずだった人の代わりとして来店していて、その事が店にとっては戸惑う出来事のようで。
給仕長のエルサ(ホン・チャウ)が、わざわざスローヴィクに耳打ちしている様子からして、何だか妙な空気感。
そんな中、スローヴィクと彼に仕える大勢のシェフが作り出す美しい料理が、次々と提供される。
想像もできないようなサプライズと共に。
こんなレストラン、ある⁉︎
フライヤーに「極上のスリルに満ちた、驚愕のフルコース・サスペンス」とあるように、まさにスリリングです。
料理の美しさにうっとりできたのは最初だけで、その後は「次は何が起こるのか…」とハラハラさせられます。
各料理それぞれに、スローヴィクの筋書きがあり、組み立てられたサスペンスがある…
レストランらしからぬ、絶叫するような出来事が起こるたびに、「みんな!早く逃げないとあかん!」と心の中で叫んでしまう。
コース料理が進んでくると、このレストランに集まった客たちは、最後にどんな結末を迎えるのか気付いていきます。
スローヴィクの芸術の一部になっちゃうことを、みんな半分諦めているような、受け入れちゃってるような…
でも男性陣だけ逃げるチャンスが与えられた時は、みんな一目散に走り去ってましたから、そうでもないか。
その間、女性だけで囲むテーブルは、みんな明け透けに語り、タバコをふかして、一流レストランらしからぬ、生命力強めな空気感。
美食、って独特
大勢いるシェフたちの、スローヴィクへの酔心ぶりもちょっと怖いですが、口先だけの美食家タイラーの行き過ぎた感覚も理解しづらいものがあります。
調理器具から素材まで、語り出したら止まらない。写真撮影NGと言われてるのに、こっそり撮っちゃうし。
どんなに衝撃的なことが起こっても、マイペースに食事を食べている。
崇拝しているスローヴィクに恥をかかされ、何かを囁かれて素直に退場していく…
スローヴィクと違うベクトルで、かなりヤバい人でした。
そして、そんなタイラーに連れられて(元カノの身代わりとして)レストランにやって来たマーゴ。
彼女はさしてグルメに興味はなく、突発的に来店した彼女を店側もどう扱っていいのかわからず、本人にそれを選べ、と言う。
立ち入り禁止と言われていたスローヴィクの部屋に忍び込み、そこで彼の過去の写真を見た彼女。
レストランに戻って、スローヴィクにある注文をします。
意外にも嬉々として受け入れ、作り始めるスローヴィク。そしてそれを食べて、何ともうまい切り返しで島を脱出することに成功するのでした。
一番美味しそうな一品。そして、作っているスローヴィクがとても幸せそうだったのが印象的です。
やっぱりそうなりますか…
結局どうなるの?と思ってましたが、やはりこうなるのか…と衝撃的なラスト。
とても芸術的だったデザートの”スモア”。天井から俯瞰して見ると美しい。
マシュマロのケープに、チョコの帽子。結末を思うと恐ろしいのに、その風貌と、最後に出てくる”スモア”の食材名には笑ってしまった。
最初にスローヴィクが客たちに言う台詞、「食べないでください。味わうのです」が深い…
ちゃんと食事を味わってるかなあ、と内省。
芸術性が高く、時に不気味で、狂気をはらんだスローヴィク劇場ともいえる106分のディナー、ぜひお楽しみください!