毎日お疲れ様です！ yolicoです。
今日は『南極料理人』をAmazon Prime Video で鑑賞。
2009年劇場公開の映画です。
舞台は南極！ 究極の単身赴任
西村淳（堺雅人）は海上保安庁の巡視船の厨房に勤務する主計士。
本来ならば、同僚のスズキ（宇梶剛士）が行くはずだった南極地域観測隊のメンバーに急遽、派遣されることになる。
妻・みゆき（西田尚美）と小学生の長女・友花（小野花梨）と、生まれたばかりの長男を置いて。
西村の任務は、共に越冬する隊員8名の食事を用意すること。
食べ物の好みもさまざま
８人の隊員たちは各自の役目を持ってやって来た、立場も個性もさまざまな面々。
隊長である金田浩（きたろう）は、気象庁から派遣された気象学者です。
「僕の体はラーメンでできている」と語るほどのラーメン好き。
夜な夜な、厨房でラーメンを自分で炊いて食べています。
彼らが滞在している「ドームふじ基地」は標高3810メートルに位置していて、水の沸点が85度のため、麺がうまく炊けないことが悩みの種でした。どうしても麺に芯が残ってしまうのです。
そして、まだ滞在期間の半ばのある日、「もうラーメンが無い」という事実を知ってからの、彼の落胆はかなりのものでした。
ストレスの発散方法もいろいろ…
基地の外は、マイナス54度。ペンギンやあざらしはおろか、ウイルスさえいないという想像を絶する自然環境。
何かと制限のある基地内で、みんなのストレスも溜まっていきます。
通称”兄（にい）やん”の川村泰士（高良健吾）は大学院生。氷雪観測のサポート隊員です。
彼は夜な夜な行われる麻雀で負け続けることに嫌気がさして、基地を飛び出します。
日本にいる彼女と衛星電話をするのが楽しみでしたが、次第にうまくいかなくなり振られてしまった時も、泣きながら基地を飛び出します。
節分の豆まき行事で鬼役を担当した時は、パンツ一丁の姿で外に締め出され…
「マイナス54度なのに大丈夫？」とハラハラです。
通称”主任”の御子柴健（古舘寛治）は車両担当隊員。自動車メーカーから派遣されてきました。
当初から南極に来たことを後悔していて、外に停めた雪上車の中で漫画を読み耽り「パチンコ行きたい」とこぼしてます。
挙げ句の果てに、「風邪ですわ」と仮病を使って、部屋に引きこもる始末。
そんな”主任”のストレス解消は「シャワーを出しっぱなしにしてシャンプーしながら大声で歌う」こと。
水は貴重品で、基地内では節水は絶対的なルールだというのに…
やがて、他の隊員にバレて、ひんしゅくを買ってしまいます。
ご飯が楽しみになる、ご馳走の数々
基地での任務も、生活も、何かとストレスフルな中、彼らの格別の楽しみは「食べること」。
西村は手間ひまかけて、さまざまな料理を作ります。
隊員たちが夢中で食べている姿を見ると、思わず笑みがこぼれるのでした。
冒頭シーンの夕食では、ぶりの照り焼き・お刺身・天ぷら・おひたし・煮物。めちゃめちゃ豪華！
みんなをご飯で元気づけようとするかのような、ご馳走です。
他にも、「前期の隊員が残していった伊勢海老」のエビフライ。
通称”本さん”の本山秀行（生瀬勝久）の誕生日にステーキを焼こうとするものの、コンロの火力が弱くて上手く焼けず、外でかたまり肉に大量の油をかけて燃やす、という方法で作ったローストビーフ。
中華料理やさんで食べているかのような、丸テーブルに乗った、チャーハン・シュウマイ・青椒肉絲・エビチリなどなど。
なかでもいちばん魅力的だったのは、熱々の豚汁とおにぎりの昼食。
たらこ・シャケ・牛大和煮の入った、大きなおにぎり。一つだけある”当たり”はイクラ入り。
作業から戻ってきて、汗をかきながらおにぎりと豚汁を食べている様子は、こちらまで幸せな気分になります。
基地の暮らしに馴染んでる人も…
通称”ドクター”こと福田正志（豊原功補）は、医療担当の隊員。私立病院に所属するお医者さんです。
お酒好きが高じて、夜には医務室でバーをオープン。自らカクテルを作ってふるまいます。
道端に設置してあるような、紫色の看板も置かれているのが、本格的。
「Bar ふくだ」と書かれていて、いったいどこから持ってきたんだろうか？（笑）
彼は、長期滞在の南極勤務がさほど苦でないどころか、「息子が金をせびりに来ないから快適」「あと２〜３年は南極にいても構わない」と話す強者です。
毎日、外を自転車で走るのを日課にしていて、帰国後はトライアスロンに挑戦するのを目標にしています。
たまに、上半身裸で自転車に乗って外に出るのは、見ていて心臓に悪いですね。
食べることは、元気の素
約１年半も家族と離れて、外には雪しかない場所で暮らす、という状況は想像以上に大変でしょう。
ふらっと行けるコンビニもないですし。
そんな中で、「ちゃんと食べること」は、人を元気に保ってくれるんだなあ、と痛感します。
逆に元気が出ない時には、美味しいもの、温かいものを食べると、パワーが取り戻せるのかもしれません。
原作は、実際に南極観測隊で料理を担当していた西村淳の著書『面白南極料理人』と『面白南極料理人 笑う食卓』。
監督・脚本は沖田修一。南極の野外シーンは真冬の北海道網走市で撮影されたそうです。
家庭料理からフランス料理のコースまで出てくるご馳走の数々に、思わずお腹の虫がなる125分の小旅行、ぜひお楽しみください！