イラン映画

余韻が残るラストシーン 映画『シンプル・アクシデント 偶然』

※アフィリエイト広告を利用しています。

毎日お疲れ様です! yolicoです。

今日は映画『シンプル・アクシデント 偶然』を劇場で鑑賞。

2026年5月劇場公開の映画です。

かつて不当な理由で投獄されたワヒドは、自分を拷問した看守と思われる男と偶然出会う。

咄嗟に強引な手段で男を拘束し、荒野に穴を掘って男を埋めようとするワヒドだったが、男のIDカードを見ると、復讐すべき相手と名前が違っていた。男も人違いだと言う。

実は投獄中、目隠しをされていたワヒドは、男の顔を見たことがなかった。

男は本当に復讐の相手なのか。確信が持てなくなったワヒドは、ひとまず復讐を中断し、同じ男に拷問された友人を訪ねることにするが……。

映画.comより一部引用

真剣な復讐心からの行動に、なぜかともなう滑稽さ

かつて自分を拷問した男を偶然見つけたワヒド(ワヒド・モバシェリ)。きっとコイツだ!と拘束するが、相手は違うと言っている…。 

深い穴まで掘って、男に砂をかけるところまで進んだ復讐の最中に、相手の言葉に耳を貸し、迷いが生まれ、同じ思いをした人間に確かめようとするワヒド。

男を見つけてから拘束するまでの行動力・スピード感からすると、「そこで迷うの⁉︎」と思わされる。

そして、同じく不当に投獄され、拷問された人々を訪ねていき、皆の意見を聞こうとするが、決め手がない。

ウェディングドレスを着た女性ゴリ(ハディス・パクバテン)とその夫、ゴリの姉でウェディングフォトを撮影している女性カメラマンのシヴァ(マルヤム・アフシャリ)、その女性カメラマンの元カレ・ハミド(モハマッド・アリ・エリヤスメール)。

車に拘束した男を乗せたまま、どんどんと人が増えていくけれど、誰も答えを出すことができないもどかしさ。

だけど皆、男のことを訊ねると激しい怒りを溢れさせることから、相当辛い思いをしたことがうかがえる。

その、激しい怒りをぶつけて復讐すべき人間が、この拘束している男なのかどうなのか…

観ている方も「どういう決着をつけるんだろう?」がまったく予測できない。

復讐という空恐ろしい目的に向かっているのに、ときおり遭遇する出来事には、なぜか滑稽さを感じる。

ラストシーンの余韻の深さ

ワヒドは拘束されている時に目隠しをされていたから、看守の顔を知らない。

この男があの看守だ、と断定した理由は、男が立てる音があるから。

その特徴的な音を覚えていて、男が看守だと断定するのでした。

その音がラストシーンで聞こえてくる… まさに鳥肌もので圧巻。

恐ろしい!という印象で幕を閉じましたが、数日経ってその感想が変化していく不思議。

ひょっとしたら、別の意味合いがあるのかもしれない。

「人って、怖いよね」ということではなく、「人って、感謝の気持ちを持つよね」ということなのかも、と思えたり。

監督の本意はわかりませんが、あとを引くラストシーンでした。

作品詳細

ジャファル・パナヒ監督がかつて、二度にわたって投獄された経験に着想を得て製作された今作品。

2025年第78回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しています。

第98回アカデミー賞の国際長編映画賞にフランス代表作品としてエントリーし、ノミネートを果たしています。

あまり馴染みのないイラン映画(フランス・ルクセンブルク合作)でしたが、人々の暮らしや街並みを垣間見ることができて、興味深い作品です。

復讐をかけた103分の小旅行、ぜひお楽しみください。

-イラン映画
-, ,